子供の「本気」を引き出すための「ゲームコーディネーター」

たかはしです。

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同じく絶賛子育て中の皆様から「そんなこと、わかっとるわい!」って言われるレベルで同意いただける話です。

思うように子供が動いてくれない

子供が生まれてきたとき、夫婦でこんな話をしませんでしたか。この子にはこんな習い事をさせようって。

ピアノを習わせたい、なぜなら、自分が子供の頃にピアノが弾ける子が羨ましかったから。

水泳を習わせたい、なぜなら、水泳をすることで体が強くなるって聞いたことがあるから。カナヅチだとかわいそうなので、引け目を感じなくて済むように水泳くらいは習わせておきたい。

英会話を習わせたい、なぜなら人間の耳は3歳までに聴いた音を覚えているんだって。だから、英語脳を作るためには早い方がいい。これからは英語が喋れないとこまる世の中になるはずだ。

公文教室に通わせたい、なぜなら子供の将来を考えたときに学歴はあるに越したことがない。受験勉強の基礎になるから、読み書きそろばんは早いうちからみっちりと取り組ませよう。

いやいや、リトミックだ、体操だ、空手だ、そろばんだ、絵画だ、と色々な選択肢がありますよね。

 

で、子供が大きくなるにつれて色々な習い事に連れていくのですが、長続きしなかったりするんです。

ピアノを習わせても、家で全然練習しないから他の子に置いていかれる。発表会でも入賞できない。

英会話を習わせても、楽しそうにはしているものの、果たして役に立っているのか不明。。。

 

あれ?こんなはずではなかったのに。

そう思いながらも、一度はじめた習い事。やりはじめたからにはある程度やらせないと。サンクコスト(埋没費用)が気になって、なかなか辞める決断ができず。そのうちに子供に「なんで真剣にやらないの?!あなたがやりたいって言ったんでしょ!(あなたのためにお金も時間も使ってるのよ!)」って言うようになります。

子供にとっては、「ちょっとやってみたい」程度の思いつきをグリグリと拡げられて、ひたすらやらされる苦役になってしまいかねません。

 

思ったように子供が動いてくれない、と感じたときにふと振り返って欲しいのです。なぜその習い事をやらせようと思ったのか。

実は、子供ではなく、あなたがやりたかったことなのでは?

大人になってから世の中のことが色々わかるようになると、子供の頃にこうしておけばよかったと思うことも多いですね。後悔先に立たず、というやつです。だからこそ、自分の子供には早めに手を打っておきたい。その考えは理解できるのですが、イヤイヤやらせている状況であれば逆効果になる可能性だってあるわけです。

それ、あなたがやりたかったことなのでは?

自分の代わりとして子供に託す(やらせる)のではなく、まずは自分が取り組んでみてはいかがでしょう。

ピアノが弾けたらよかったのに。そう思うなら、子供と一緒に自分自身もピアノの練習に取り組んでみましょう。子供以上に、ピアノの練習を頑張ってみましょう。コツコツと練習する親の姿勢を見せることが、子供にもいい影響を与えます。

英語ペラペラになることを夢見るのであれば、子供と一緒に自分も英語の勉強をしてみましょう。英語が喋れることの楽しさを、親自ら発信していきましょう。

自分がやりたかったことを諦めないで。子供と一緒に、時には子供のライバルとして取り組むことが、あなた自身の人生にも良い影響を及ぼしますし、子供にもポジティブな影響を与えます。

やるべきことをやり遂げることを教えたいなら、親であるあなた自身が、やりたいことをやり遂げる姿勢を貫きましょう。

その上で、子供の「本気」を引き出すための方法をお伝えします。

子供の「本気」は遊びの中にある

暗くなるのも気にせずに日没まで夢中で遊んだ経験はありますか?食事をとるのも忘れて熱心に取り組んだことはありますか?

大人になると色々なことが並列でやれるようになります。何かにのめり込みすぎず、社会の状況や自分の立場を考えながら、「良い加減」にバランスをとった行動ができるようになります。それが大人になるということなのです。

一方、子供は並列処理が苦手です。テレビを見ながらごはんを食べられません。これはデメリットのようにも見えますが、ものすごく大きなメリットなのです。「おもしろい」「やりたい」と思うことに対して、脇目を振らず集中して取り組める力を持っているのです。

子供の「本気」を引き出したかったら、並列処理が苦手なうちに「何かにのめり込む」ほど取り組ませることが大事なんです。何にのめり込んでも良いのですが、できれば、親自身が取り組んで役に立つと思えることの方が良いでしょう。

親の役目は「ゲームコーディネーター」

親は、子供がのめり込みそうになったテーマに対し、うまく取捨選択のコントロールをして、よりのめりこめるようにサポートしてあげましょう。お膳立てされると子供はお客さんになってしまいます。

あくまで子供自身が主役で、ほどほどの障害物があるけど、親がうまくコントロールしてやるようにコーディネートするのです。ドラクエでも、はじめはスライムしか出てこないですよね。レベルが上がるにつれて強い敵が出てきたり、強い武器が買えるようになっています。初めから最強の武器が手に入ってもつまらないし、いきなりラスボス級の敵に囲まれても興ざめするのです。

裏では親がコントロールしているのですが、子供にとっては「自分の力で経験値を貯めている」「自分の足で切り開いている」感覚を養うことが大切です。それが自立した人間、いくつになっても成長し続ける人を作るための一番大切なことです。

あなたのお子さんは、この世の中でどんなジャンルの冒険に出ようとしていますか?そして、親としてどんなゲームコーディネートをしていきましょうか?世界で一つしかない、最高のゲームを子供のために用意してあげましょう!

習い事とは、ゲームコーディネーターのアウトソーシングだ

とはいえ、親がすべてのゲームに精通している訳ではありません。物事を身につけるには、プロフェッショナルに師事することも重要です。習い事とは、子供にとっての適切なレベル設定を肩代わりしてくれるものです。つまり、ゲームコーディネータをアウトソーシングすることなのです。「級」「段」「資格」など適切なクオリファイを設定されていることがほとんどです。学習塾もそうですね。偏差値により自身の相対的な位置、努力の成果を図れるようになっており、ゲーミフィケーションの考え方が活用されています。

この場合、親としての役割は二つ。

まず、正しいアウトソーシング先を探すこと。親自身がきちんと納得して預けられる先であることが重要です。預けたら、自分は指導者としてではなく、子供のサポーターとして振る舞うのです。先回りするのではなく、助けを求めている時に適切なフォローができるように見守るのです。世話を焼いてはいけません。これで、子供自身の自立を促します。まさに「かわいい子には旅をさせよ」ですね。

つぎに、レベルのカスタマイズ。臨機応変な個別対応でない限り、子供の特性に合わせたものではなく、一般的な成長過程に合わせたクオリファイになっていることがほとんどです。そのステップを超えるのが大変そうだと思ったら、ゲームレベルを少し易しくできるよう考えてみましょう。習い事の先生に相談してみる、使っている道具を見直してみる、プラスアルファで補講をいれる、さらに細かいステップに切りなおしてみる、などなど。アウトソーシング先に迷惑をかけないよう(クレーマーとかモンスターペアレントですね)、子供の成長に何が一番有益かを最優先において。人に押し付けるのではなく、自分ごととして子供の成長に役立つ施策を打っていきましょう。

ゴールは自立、自走

ゲームであればボスキャラを倒して、世界に平和が戻ったらゴール、エンディングです。では、リアル世界でのゲーム、つまり子育てにはどこにゴールがあるのでしょうか。

ゴールは「自立」「自走」です。親の手を借りずとも、自分の力で人生を切り開いていける。自分で稼ぐ力を身につける。それがゴールです。お膳立てして取り組むのは初期の段階であり、ティーンエイジャーになったら、子供自身で取り組むべき内容を決め、スモールステップを切って積み上げていく努力を継続できることが重要です。

自ら課題を見つけ、コツコツと積み上げていくことのできる人物は強いです。これからの世の中、人工知能の発達やグローバリゼーションのさらなる発展により、我々世代のこれまでの常識が及ばないことが容易に想像できます。不測の事態があっても臨機応変に生きていく力。それを子供達に身につけてもらうのが、親としての役割だと考えています。

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