たかはしです。
先日のキャンプ での出来事です。テントの中でそれぞれの時間を過ごしていました。
長男と次男はルールを変更したUNOで遊んでいるようです。はじめの持ち札は7枚のところ、30枚ずつでスタートしている様子。
盛り上がっているようですが、なかなか終わりません。
そこで、何故UNOの初期札が7枚ずつなのかをゲームバランスの観点から考えてみました。これもプログラミング 的思考です。
通常のルール
まずはルールのおさらい。公式ルールは色々複雑なので、ページワンっぽいよくある遊び方で整理します。
- 山からカードを7枚ずつ配る
- 山から場に一枚出し、ジャンケンで勝った人から時計回りで進める
- 捨札と同じ色、もしくは同じ数字のカードを捨てる。手持ちにない場合は山から一枚とり(ドロー)、これも捨てられなければ手札に加える。
- 二枚取り(ドロー2)、逆回り(リバース)、順番とばし(スキップ)、四枚取り(ドロー4、好きな色に変更できる)などの特殊カードがある。ドロー2にはドロー2を出し返すことで、厄災は雪だるま式に増えて次の人に移る。
- 手札が一枚になったときに「ウノ!」と言う。言い忘れたらペナルティとして山から2枚を手札に加える
- 一番早く手札が全てなくなった人が勝ち
手札の枚数を減らしてみる
では、最初に配られる手札を7→3枚に減らしてみましょう。
手札が三枚しかないということは場のカードと色や数字が合う確率が下がります。初期手札から捨てられるプレイヤーが少ないため、しばらくはみんなで山からカードを補充することになります。結局みんな7枚まで手札を足すことになるのかも。
なお、運が良ければ初期手札からの3ターンでいきなりあがる可能性もあります。
初期手札1枚で始めるとさらに分かりやすいですね。いきなりあがれるかどうかは初期手札の運に左右され、プレイヤーのスキル(どのカードを捨てるか判断)が関与しないから、博打としては成立しても、やりこみゲームとしては面白くないんです。
手札の枚数を増やしてみる
では逆に、最初に配られる手札を7枚→30枚に増やしてみましょう。
手札が潤沢にあるということは、場にカードを捨てられる可能性が上がります。つまり、手札の枚数がある程度こなれるまでは、淡々と場に手札を捨てるルーチンワークになります。
また、ドロー2など他のプレイヤーが出した特殊カードによる妨害を雪だるま式に返せる確率が上がることも意味します。ドロー2を切らしたプレイヤーが大量に手札をドローすることになり、一気に体制不利になります。
ドロー2の応酬を楽しみたいならアリですが、ドロー2を出し切ったあとは淡々とルーチンワークが残ります。
ゲームバランスとしてはイマイチですね。
なぜ子供達は30枚手札で遊んでいたか
UNO公式ルールの初期手札7枚から増減させた場合のユースケースを整理した結果、初期手札7枚というのはゲームバランスが取れた状態のようです。
では何故子供達は手札を増やして遊んでいたか。三つの理由が考えられます。
まず、ルーチンワークが楽しいから。子供達は同じ色もしくは数字のカードを場に捨てることに安堵感を覚えます。山から一枚ドローするのはストレスなんですね。だから、サクサクと自分の手札を減らす過程を楽しんでいます。
次に、ドロー2応酬が楽しいから。ドロー2応酬合戦の最後には、誰かが大量に山からカードをドローしなければなりません。初期手札にドローの枚数が少なかった運の悪い人がこの厄災を被ります。誰に当たるかは運次第のロシアンルーレットが楽しいのです。
最後に、勝つことが目的になっていないから。これ重要です。一位で抜けることよりもUNOでワイワイ楽しむことそのものが目的になっているんですね。大人はついつい勝つことにこだわりがちで、ゲームバランスを崩す子供と楽しく遊べなくなりがちです。
では勝つことにこだわらせるにはどうすれば良いか?
一番簡単なのは、勝った報酬をつけることです。その日のオヤツの個数が優勝者に多く配分されるとしたら目の色を変えてプレイするでしょう。ゲームバランスが崩れていたら、不公平だ、面白くないと声を上げるでしょうね。勝った時の報酬(リワード)もゲーミフィケーションの重要な要素です。
今回の場合、キャンプ ののんびり時間でそういう殺伐としたプレイを望むかどうかですね。私としてはオンオフ両方あっていいと思います。
手札7枚にバランスのピークがあるかはまたの機会に確率シミュレーションでもして検証したいと思います。